クロマダラソテツシジミ初確認‼
この秋ついに、野火止緑道でクロマダラソテツシジミが確認されました。
南方系のチョウで、1992年に沖縄本島で確認され、その後さらに北上して2007年には関西でも確認されています。名前の通りソテツが大好物です。昨年は、都内でも公園の植え込みのソテツにいることがあるよ、という噂を聞いていましたが・・・
でも野火止緑道にはソテツはないし、都内ほど暖かくないし、多分来ないだろうと勝手に思っていたら、なんと目撃情報が入ってきました。
上 :メスの翅は暗褐色で幅広く縁取られ、中央部がメタリックブルー。
右:オスの翅は暗褐色の縁取りはごく狭く、全体が明るいメタリックブルー。
後翅にちっちゃな尾状突起があります。そして尾状突起のすぐそばに丸い斑紋があります。この斑紋、メスはオレンジと黒の2色(個体によっては黒)。オスは黒のみです。
翅裏の同じ場所に♂♀ともにオレンジと黒の斑紋が。翅裏では雌雄を見分けるのは難しいようです。
クロマダラソテツシジミは気温が15℃以下になると、成虫や幼虫はもちろん、蛹や卵も死亡率が高くなってしまうそうです。そのため南西諸島より北では越冬できないと言われています。
しかし夏の繁殖力は驚異的で、気温30℃では卵から成虫までわずか12日と、短いサイクルで爆発的に増えるそうです。そうした個体の一部が南からの風に乗って夏の間世代交代を繰り返しながら徐々に北上し、秋にはこのあたりに到達して繁殖している、ということなのでしょうか。この小さなシジミチョウがそんな大移動をするなんて不思議です。
また、最近はあまりに多く目撃されるようになったため、越冬する個体もいるのでは、という説もあるようですが、まだ解明されていません。
南からの珍しいチョウ、見るのは楽しいですが、最近の気候変動のすさまじさを考えると、喜んでいる場合ではないですよね・・・