(参考資料)伐採と野火止緑道の植物

伐採されたコナラ
萌芽更新することなく枯れてしまいました。周辺のどんぐりからの実生苗も刈られてしまいました。

山下橋から西分橋の区間にはいくつかキンラン(埼玉県絶滅危惧Ⅰ類)の株がありましたが、 コナラ伐採後には花が見られなくなり、株自体も消滅してしまいました。

エビネ(埼玉県絶滅危惧Ⅰ類)現在のところわずかながら確認されています。

大規模下草刈りがあった後の2025年は葉のみで花をつけませんでした。(写真は2023年のもの)

江戸時代の本草学者、岩崎潅園(1786-1842年)が著した『武江産物志』(文政七年(1824年))に記載された「野火留平林寺」の項に、エビ根の記載があります。当時のこの地の代表的な薬草であったようです。現在の野火止緑道でも200年の時を超えて見ることができます。(現在ではエビネには薬効が認められないとされています)

ヒトツバハギは2025年の国土交通省 水管理・国土保全局の【荒川水系河川整備基本方針】では絶滅危惧Ⅱ類として(埼玉県のレッドデータブック2025年判には記載がありません)荒川水系の重要種の一つと位置づけられています。東京都でも絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
分布は広いものの、育成地が限定的であると言われ、東京西部では多摩川の堤防や玉川上水緑道で確認されています。野火止用水は多摩川からひかれた玉川上水の分水でしたので、このつながりは偶然ではなく植物が野火止用水の歴史を語り継いでいるという可能性も考えられます。

豆知識】1957年、ロシアでヒトツバハギの葉や枝から中枢神経に作用するアルカロイドの1種セクリニンが発見され、その後日本で更に研究が進みました。小児麻痺(ポリオ)後遺症やリウマチの治療薬として使われたそうです。野火止用水は荒川水系ではありませんが、ヒトツバハギが希少種であることに変わりありません。しかも野火止緑道でも確認されているのはわずかです。今後の伐採で消滅することがないようにしたいものです。

ハンノキは近隣の東京都では絶滅危惧Ⅱ類です。埼玉県の蝶ミドリシジミ(埼玉縣準絶滅危惧1類)の食草としても知られています。現在東京側も含めて野火止用水流域ではハンノキが減少しており、貴重な1本です。(伐採後約10か月たった2025年11月の様子)

昨年伐採されたハンノキからたくさんの「ひこばえ」が出てきていました。(左写真)しかし今年の伐採ではすべての「ひこばえ」が刈り取られました。市では今のところ萌芽更新の予定はないそうです。このまま根も枯れてしまうのでしょうか(2026年1月の様子)